ハナミズキ

ハナミズキは、9.11のテロから一青窈さんが感じた想いを歌った曲として知られている。

でもこの曲は、テロそのものへの哀悼歌という訳ではなくて
自分の心情に重ね合わせて書いた、パーソナルな内容で、
届けたい人が明確にいた歌詞なんだと思う。

NY911跡地

9.11のことを突き放してない。
多分このメッセージの根幹は「受け入れて」。
直接この想いを伝えるのは重くて船が沈んじゃうから、
ハナミズキの花言葉
「私の思いを受けて下さい」
に隠し込めている。

ただの9.11から着想を得た、平和を願う歌なんじゃなくて、
漠然としたCauseを歌いたいんじゃなくて、
もっともっと自身に近いところにちゃんと落とし込まれてる。

「僕の我慢が」から始まるこの編曲。
一青窈さん最初は「僕の我慢が」が強くでないようにしてたんじゃないかなーって。
二回目の「僕の我慢が」はコーラスが歌っている。
それがこのときは強く押し出されてる。
本当は一番言いたいのだけど、直接は言いたくなくて、でもわかってほしいみたいな。

最初はA4のコピー用紙3枚くらいの詞を書いたんです。
もっと挑戦的な詞でした。
それこそ、まあテロという言葉もあったし 散弾銃という言葉もあったし、
いろんな自分の汚いものも出しつつ、 最終的に辿り着いていたところが削って削って
「 君と好きな人が100年続きますように 」だった。

「果てない波がちゃんと止まりますように」は、
自分のエゴを押し付けると、好きな人の乗る船が揺れてしまうから、
その先にいる人まで響いてしまうから。
自分から周りの人を引き込んでしまう。
さらに大きな負な波を作って自分自身がそれに飲み込まれてしまう。
そんな負の波は自分から止めてしまわないと。

「知らなくてもいいよ」といいつつ本当は知ってほしい、
微妙な心のうちを歌ってるのだろうなぁ。
ある意味、この記事もそうなのかも。。。

目の前で起こった信じがたいこと、
ぶつけたくなる怒りを波風を立てるんじゃなくて、
「受け入れて」、許して、手放すこと。
これができてればテロも起こらなかっただろうし、
自分が人に散弾銃あびせることもなくなって、自由になる。楽になる。
そこらへんを重ね合わせてるんじゃないかなー◎

ニューヨークに行って、実際テロが起きた場所、その慰霊碑のある場所、
メモリアルミュージアムがあるところを訪ねてきて、
現地の人はとても理解し難い悲惨な出来事を
一生懸命受け入れようとする行動をしていたように見えた。

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「君と好きな人が百年続きますように」の「百年」、絶妙な言葉だと思う。
「一生」なんて言えないから、ちょっと強がって「百年ならいいよ!」って。
ここも本音と建前の中間の「グレー」な自分の気持ち。本音だよね。
だから、ハナミズキのジャケットや、うちらが紅白で着た衣装灰色だったんじゃないかな。

灰色ってすごく揺れている色なのかもなー◎波がある色。
黒と白の間は全部灰色で。本音と建前の間の色。

ハナミズキ「夏は暑すぎて」で寒そうなそぶり?をするのも、
自分の気持ちと表の態度との裏表を表してるんだろうなぁ

そんな微妙な気持ち、自分でも受け入れること。
できたら、君にも受け入れてほしい。でもそれは強要できない。
そんな風に揺れている曲なんじゃないだろうか。

それを含めて「君と君の好きな人が百年続きますように」というメッセージ。
自分の好きな人の好きな人のことを思うことで、受け入れて、許す。
そう思えたら、その連鎖が生まれたら。
巡り巡って、誰かが自分のことを思ってくれる。

多分、この曲は「そうなんだね」って受け入れてくれる曲なんだと思う。

この波がちゃんと止まりますように。

*このエントリはTwitterでのつぶやきを再編集して作りました。

2 Comments

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  • つぼ
    2011年9月11日 - 2:14 PM | Permalink

    9.11から10年経ってこのエントリーを見ました。

    最近ずっと、当たり前のことですが
    「エゴイズム」に満ちているときには感じられない「遠くにいる人たち」の姿は、
    「思いやり」の心がふっと横切ると
    何かしら「共通の存在」として感じられるのではないだろうか?
    と考えています。

    ある出来事の本質は権力を持つ側にいるだけでは非常に見えづらいです。
    「守ること」に固執して、いつも間にか自分がエゴにまみれていることに気づかないときもあります。

    世界中で起きている対立はすごく根深いものもあるのですが、
    「色々なところ」から物事を見ることだけはこれからもっと大事にしていきたいです。

    いつも、素敵な文章をありがとうございます(*^_^*)。

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